ボビンとは、電線(巻線)を巻いてコイルを作る円形または多角形の筒を指します。主な材料として電気絶縁性のある樹脂が用いられますが、端子部には主に金属が用いられるため、樹脂と金属の2点部品によるコスト高が問題となります。そこで、樹脂で一体成形された樹脂端子ボビンの開発が進められています。
図6-4-1 ボビンの構造
電線に電流を通すためには、端子に絡めた電線終端の被覆材(ウレタン等)を剥がす必要があります。被覆材を剥がす方法として、高温(300~400℃)のハンダ浴にディップする方法が用いられています。
金属端子の場合、ハンダ浴にディップしてもボビン部分には熱が伝わらず、比較的耐熱の低い樹脂を使用することができます。一方、樹脂端子の場合には、端子が溶けたり変形しないよう、耐熱性の高い樹脂が使用されます。ただし、昨今の家電製品の軽薄短小化に伴いボビンも小型化しており、端子が金属であっても短い端子からの熱が樹脂部に伝わるため、樹脂に耐熱性が求められてきています。このため、ボビン用樹脂材料に対する要求特性として、高い耐熱性(300℃~400℃×数秒)と軽薄短小化に伴う精密成形性が重要になっています。さらに環境問題から熱可塑性樹脂が着目され、これらの中でもLCPはボビンに好適な材料として多く使用されています。
樹脂端子ボビンには、超耐熱グレードのE5000シリーズが最も適しています。金属端子にもE5000シリーズを使用できますが、耐熱面で過剰品質となる場合があります。E5000シリーズは短期的な耐熱性は高いものの、成形温度も400℃と非常に高く、射出成形機内での滞留劣化によるトラブルが発生しやすいという問題があります。高耐熱グレードのE4008は、300℃以上の耐熱性と高い成形性を有した当社の代表的なボビンやコイル用途向けグレードです。UL94V-0だけでなく、UL746Bなどの多く規格を取得しています。
金属端子ボビンは、ボビンに必要な耐熱温度と成形性を確認し、E4000シリーズまたはE6000シリーズから、グレードを選定されることを推奨します。
また、E52008は超耐熱グレードのE5008を高流動化したグレードです。ステッピングモーター用の超小型ボビン等、0.2mm以下の肉厚のボビンに好適です。
表6-4-1 カジノ シークレット キャッシュ バックLCPのボビン用途向けグレード
ボビンの種類 | 推奨グレード |
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樹脂端子ボビン | E5000シリーズ(E5008L, E5008等) |
金属端子ボビン(小型) | E5000シリーズ(E5008L, E5008等) E4000シリーズ(E4006L, E4008等) |
金属端子ボビン(中大型) | E5000シリーズ(E5008L, E5008等) E4000シリーズ(E4006L, E4008等) E6000シリーズ(E6006L, E6008等) |